前のページへ    次のページへ

第5章 太陽の誕生

5.1 太陽が核融合を始めるまで

 太陽は第二世代の恒星であり、 第一世代といわれる恒星が核融合反応で 酸素や炭素、窒素、鉄などの元素が作られました。そこで、天体を誕生させた星間物質は宇宙塵であり、水素ではありません 。水素は宇宙に大量に存在します。水素は宇宙空間に多いのですが、天体の誕生の種となった物質ではありません。 水素は質量が最も軽い物質であり、最後に天体を形成した物質です。 天体が大きくなり、水素分子を集めることができるようになるとその天体は急速に大きくなります。 太陽系の外惑星である木星、土星、天王星、海王星は、太陽風が吹く環境でも 、一次大気を失うことなく太陽風の水素を捕獲し続けることができました。図14に太陽系のガス惑星の外観を示しています。

            
  A) 木星r        B)土星n      C) 天王星      D)海王星   
                                  [CG were prvided by Pixta]
      図14 太陽系のガス惑星の外観            
 

5.2 太陽が核融合を始める前の構造

  太陽が質量が大きくなった天体の内部は高圧になります。 高圧になると温度が高くなります。ビリアル定理によれば、重力のポテンシャルエネルギーが低くなれば、 得られた重力エネルギーの半分は運動エネルギ―になります。残りの半分のエネルギ―が外部に放出されるので、天体の内部は高温になります。
  太陽が核融合を始める以前ではCO2は固体であり、鉄の粒子と点接触して、局部的に化学反応して降着して惑星を形成することができます。 地球型岩石惑星にはCO2やH2Oが含まれています。 太陽が核融合反応を始めてから惑星が誕生したとい従来の太陽系の形成の標準モデルでは、地球型岩石惑星に含まれるCO2やH2Oの存在を説明できません。 太陽系では太陽が核融合反応を始めた時期には惑星も大きく成長していました。
  図15.に太陽が核融合を始める前の成分の分布を示します。
           
 
 図15 太陽が核融合を始める前の巨大ガス惑星の構造

 
 目次                           -5.1-